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発熱・風邪症状(新型コロナウイルス感染症疑い含む)
新型コロナウイルス感染症経口治療薬 ゾコーバとは?
新型コロナウイルス治療薬ゾコーバは、重症化リスクのない若年の方に対しても処方可能な治療薬です。当院で今まで処方してきたラゲブリオはご高齢の方や重症化リスクの高い患者さんにのみ使用できたので、治療の幅が大きく広がったといえます。このコーナーでは、今回当院でも処方が可能となったゾコーバについて解説していきます。
1.ゾコーバはどんな患者さんが適応になるの?
以下の①から⑤を考慮し、処方を検討します。
①軽症だけれど、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの症状の強い、重症化リスクのない、12歳以上の患者さんが治療対象となります。
このゾコーバ錠は2022年11月に緊急承認されたお薬です。そのため、現在わかっている効果は、新型コロナウイルス感染症の症状を軽減するということだけです。重症化予防などの効果が不明なため、重症化リスクのある患者さんはラゲブリオなどの薬を選択します。また症状が軽い場合にも、ゾコーバを内服する必要があるかよくわかっていないため推奨されていません。症状が進み、低酸素血症など重症度が高い場合も内服薬では効果が期待できないため適応がありません。
②症状が出てから3日以内の患者さん
ゾコーバ錠の有効性は症状が出てから、3日以内に投与した患者さんしか証明されていないため、今のところ症状が発現してから遅くとも72 時間以内に内服することが推奨されています。
③普段服用している薬によっては内服することができません。
ゾコーバ錠は他の薬剤と相互作用を起こすことが知られています。今、服用されている薬によっては、処方できないこともあります。ですので、現在飲まれているお薬を医師が確認する必要があるので、受診の際は必ずお薬手帳を持参しましょう。
医療者向けですが、塩野義製薬の関連サイト
④妊婦または妊娠する可能性のある女性は内服できません。
最終月経日以降に性交渉があり、妊娠の可能性があれば内服はできません。また、本剤を服用中及び最終服用後2週間以内の性交渉/授乳を控えてください。
⑤肝機能障害、腎機能障害の患者さんは慎重な服用が必要です。重症化リスクが高い場合が多いと思われるため、ラゲブリオなどの他の内服薬を検討します。
中程度の腎機能障害までなら、ゾコーバの使用は可能となっておりますが、腎機能障害、肝機能障害がある場合、重症化リスクが高くなる可能性があり、その場合はラゲブリオなどの内服が推奨されます。
2.ゾコーバの処方までの流れは?
同意書が必要になります。薬局には当院から連絡いたします。その後の薬剤の受け取り方法については薬局の方と相談していただきます。
※2023年1月5日現在、新型コロナウイルス感染症の患者さんの急増に伴う在庫逼迫のため、処方ができない可能性があります。ご注意ください。
3.ゾコーバはどんな薬なの?どうやって飲むの?
ゾコーバは感染細胞内でウイルスが増殖するのを阻害する薬剤です。緊急承認された薬剤で、現時点では症状が出てから3日以内に治療を開始すると、発熱や咳などの5つの症状で、症状消失までの時間を24時間程度短縮することがわかっています。服薬方法は1日1回、5日間服用します。なお、初日のみ1回3錠で2日目以降は1錠内服します。なお、服薬するのに自己負担はありません。
服薬方法と回数
4.ゾコーバの主な副作用は?
現在報告されている主な副作用は
・5%以上:HDLコレステロール低下(16%)
・1-5%:中性脂肪上昇、ビリルビン上昇、血中コレステロール低下
・1%未満:発疹、悪心、嘔吐、下痢、腹部不快感、頭痛、脂質異常症、血清鉄上昇
・頻度不明:そう痒
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