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​発熱・風邪症状(新型コロナウイルス感染症疑い含む)

新型コロナウイルス感染症経口治療薬 ラゲブリオとは?
新型コロナ感染症の治療薬は今までも、いくつかあり、特に直接ウイルスに対し治療する方法としてはレムデシビルや抗体カクテル療法などがありました。しかしながら、これらの薬剤は点滴製剤であり、インフルエンザ治療薬であるタミフルのように、一般的なクリニックで処方するというものではありませんでした。
今回、緊急承認にされたラゲブリオ(モルヌピラビル)は初めての経口抗ウイルス薬です。ようやく、診療所レベルでも新型コロナ感染症に対する治療ができるようになりました。診断すらままならなかった2年前と比べると大幅な進歩です。とはいえ、現時点ではまだ数に限りがあり、患者さんのお薬代の負担はありませんが大変高価な治療薬でもあるため治療対象者を絞る必要があります。そのため、まず以下にどんな人が対象かお示しします。
1.ラゲブリオはどんな患者さんが適応になるの?
 
​適応患者さんは以下の①から③をすべて満たす必要があります。
 
① 抗原検査またはPCR検査で陽性が確認された新型コロナウイルス感染症の患者さんで原則症状発現後5日以内の18歳以上の患者さん。
② 現在、妊娠していないまたは妊娠している可能性のない患者さん。また、本剤に過敏症のない患者さん。

③ 以下のリスクファクターが一つでもある患者さん
・61 歳以上
・活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患(COPD、喘息を含み、少なくとも毎日予防薬や緩和薬を使用する必要がある患者さん)
・肥満(BMI 30kg/m2 以上)
・重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
・糖尿病
・ダウン症
・脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
・コントロール不良のHIV 感染症及びAIDS#
・肝硬変等の重度の肝臓疾患
・臓器移植、骨髄移植、幹細胞移植後
# ここでのAIDSは免疫抑制された病態(CD4リンパ球数が200/mm3以下、HIV RNA量が100,000copies/mm3以上等)を指す。
2.ラゲブリオはどんな薬なの?どうやって飲むの?
ラゲブリオは感染細胞内でウイルスが増殖するのを阻害する薬剤です。現時点では症状が出てから5日以内に治療を開始し、なおかつ治療開始時に中等症以下であれば、入院または死亡を50%減らせるとの結果が出ています。服薬方法は1回4カプセル、1日2回、5日間となっています。

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通常の薬はPTPシートといって左下の写真のような
シートに包装されて処方される薬が多いと思います。
今回処方されるラゲブリオは上の写真のようにボトルで処方され、1ボトルあたり左の写真のような赤いカプセルが40カプセル入っています。
​ラゲブリオカプセル
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PTPシート
服薬方法と回数
画像1.png
画像2.png
※図はラゲブリオ電子添文(2021年12月作成第1版より
4.ラゲブリオの主な副作用は?
現在報告されている主な副作用は
・1-5%:下痢、悪心、浮動性めまい(ふわふわ感)、頭痛
・1%未満:嘔吐、保身、蕁麻疹
​・頻度不明:中毒性皮疹(体の両側にみられる大小の赤い斑点状の発疹等)

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