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リハビリテーション・栄養指導
栄養指導
当院では、脂質異常症や糖尿病など、いわゆる生活習慣病の栄養指導をおこなっています。一方、当科に通院される患者さんの多くは慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などで、このような病気では肺が悪いことから健康な方よりも呼吸によってエネルギーを多く消耗し、低栄養の状態になりやすいことが知られています。そのため、慢性呼吸不全で低栄養状態もしくは低栄養状態になりつつある患者さんを対象に、管理栄養士による、栄養指導を行っております。このコーナーでは当科で行っている慢性呼吸器疾患の栄養指導について解説していきたいと思います。
1.慢性呼吸器疾患の栄養指導とは?
はじめに
慢性呼吸器疾患は、長期にわたる呼吸困難や咳、痰などの症状を引き起こす病気です。これには、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、間質性肺疾患などが含まれます。これらの疾患は、生活の質を大きく左右し、栄養状態の改善が症状の管理に重要な役割を果たします。
栄養の役割
適切な栄養は、呼吸器疾患の症状を軽減し、免疫力を高め、感染リスクを減少させるために欠かせません。以下のポイントを押さえることで、日々の食事から健康をサポートすることができます。
お食事のポイント
①エネルギーをしっかりとる
エネルギー量の高い油を上手に利用して、効率的にエネルギーをとっていきましょう。
例)小松菜のお浸し→小松菜の炒め物ゆで卵→スクランブルエッグ
②たんぱく質を十分にとる
筋肉をつけるためには、たんぱく質が欠かせません。特に、筋肉の合成を促進したり分解を抑制する効果のある 「BCAA」が豊富な食品を積極的に摂りましょう。
例)マグロ赤身、かつお、鯵、鶏肉、大豆製品( 高 野 豆 腐 )、チーズなど
③呼吸筋の働きを助ける栄養素 (カリウム・カルシウム・鉄)を十分にとる
④お腹にガスがたまりやすい食品は控える
炭酸飲料・ビール・芋類などのお腹にガスがたまりやすい食品は、横隔膜を圧迫するため呼吸に負担がかかります。摂りすぎには気を付けましょう。
⑤1度に食事量がとれないときは、分けてとる
「10時のおやつ」 「15時のおやつ 」など、間食も上手に活用しましょう。
⑥しっかりと水分補給しましょう
十分な水分を摂ることで、痰の排出を促進。
栄養指導の進め方
栄養指導は、個別のニーズに合わせて行うことが大切です。患者さんの食生活やアレルギー、好みに応じてカスタマイズされたプランを提供します。また、身体計測も行い、患者さんの体重、身長、体脂肪率、下腿周囲長、握力検査などを定期的にチェックします。これにより、栄養状態の変化を把握し、必要に応じてプランの見直しを行います。
専門家のサポート
管理栄養士、看護師、医師が連携し、最適な栄養プランを作成します。定期的なチェックアップとフォローアップを行うことで、効果的に栄養管理を進めていきます。
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