当科の診療する主な病気

​気管支喘息

③ 気管支喘息はどのように診断するの?
最近では検査機器が発達し、病気の診断は主に採血検査であったり、内視鏡やエコー、レントゲンやCT、MRIなどの画像だったりすることが多いと思います。しかし、気管支喘息は最初のページでも説明した通り、気管支の粘膜が炎症でむくみ、空気の通り道が狭くなって症状が出ます。レントゲンでは気管支の粘膜の状況まではわからず検査のみで確定診断をすることが難しいです。したがって、喘息の診断でいちばん重要なのは問診そして、気管支が狭くなることで生じる高い呼吸音(wheeze いわゆるヒューヒュー)を医師が聴診で確認することが重要になってきます。気管支喘息には明確な診断基準はありませんが、呼吸器内科医診断する目安というものがあるので、それを説明していきます。
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では、上記診断についてそれぞれ解説していきます。
1. 発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳の反復
患者さんの多くが訴える典型的な症状は夜間から朝方に咳が強くなったり息がヒューヒュー、ゼイゼイしたりするというものです。これは夜になると、自律神経のうちの副交感神経が優位になり、その結果、気管支が収縮して発作になりやすくなります。また気管支喘息の原因にダニのアレルギーが挙げられます。ダニは布団や絨毯に多く生息しているので、これも原因かもしれません。また、明け方は気温も下がり、寒冷刺激も気管支の収縮を促すので原因の一つと考えられます。季節としては春や秋など季節の変わり目が多いとされています。

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2. 喘息の発作止めを吸入すると肺機能が改善する。
気管支喘息もCOPDと同様に気管支が狭く息を吐き出しにくくなる病気です。したがって、気管支喘息の場合も肺機能検査を行うと1秒量と呼ばれる数値が低下していることが多いです。COPDのコーナーでも解説しましたが、1秒量とは一気に息を吐き出したときの最初の1秒間に吐き出せる空気の量です。気管支喘息はCOPDと違い、肺や気管支の破壊を伴っていないため、気管支拡張薬(交感神経刺激薬)と呼ばれる薬を吸入するとこの1秒量が改善します。気管支喘息と診断する場合、この1秒量が気管支拡張薬吸入後に200ml増えかつ改善率が12%以上となります。

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3. 心不全などの他の病気がないか確認する。
気管支喘息、特に発作時に似た症状としては心不全などが挙げられます。また、肺癌でも腫瘍によって気管支が狭くなり、喘息のような症状が出ることがあります。もちろん肺炎などの合併も考慮する必要があります。はじめに喘息は画像検査で診断することが難しいと申しましたが、他の病気と鑑別する上では、胸部レントゲンや胸部CT検査は非常に有用な検査となります。

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4. 気道炎症の存在。
気管支喘息は炎症によって気管支粘膜がむくみ、気道が狭くなることによって呼吸が苦しくなる病気です。この炎症の程度を評価するために、痰の中に含まれる、好酸球数を調べます。この好酸球とは炎症に関与する白血球の一種です。この検査では、痰が採取されないと検査ができないため、痰が出ない場合には、血液検査で血中の好酸球数を調べます。数値が高い(300/μL以上)と喘息による炎症が起こっていることが示唆されていると言われています。また、呼気中の一酸化窒素濃度は気道の好酸球性の炎症と相関しているといわれており、当院では実施できませんが、この呼気中の一酸化窒素濃度(FeNO)を測定することで気道の炎症を評価することも可能です。