当科の診療する主な病気

​気管支喘息

④ 気管支喘息はどのように治療するの?
気管支喘息の治療は大きく分けて、いわゆる喘息発作と呼ばれる急性期の治療と安定してからの長期管理の治療の二段構えとなります。
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それでは、もう少し、詳しく解説していきましょう。
1.急性期の治療:いわゆる喘息発作の治療
 
急性期の治療は発作の程度で3段階に分かれています。
 
小発作:症状の目安としては動くと苦しいが横になれる程度の発作です。治療は発作止め用としてよく処方される短時間作用型β2刺激薬の吸入です。商品名としてはメプチンエアーやサルタノールインヘラーと呼ばれるものです。またシムビコートと呼ばれる吸入薬も使用されることがあります。
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中発作:症状の目安としては苦しくて横になれない。この段階では病院の救急外来に受診するくらいのレベルです。低酸素血症を認めるようなら、酸素吸入が必要となります。またステロイドの点滴をしつつ、短時間作用型β2刺激薬の吸入をネブライザーによって、症状改善するまで吸入する必要があります。改善しなければ、入院施設への紹介となります。
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ネブライザー吸入
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​酸素吸入
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​点滴
大発作:症状の目安としては苦しくて動けない状態です。入院施設に紹介または受診となります。

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2.症状安定期の長期管理:患者さんの症状の強さに応じて4段階の治療ステップがあります。
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治療ステップ1(軽症間欠型):症状の目安としては、喘息症状が週1回未満です。

治療:吸入ステロイド単剤(ex.アニュイティ®/オルベスコ®/パルミコート®など)
​※吸入が困難な場合は抗ロイコトリエン拮抗薬内服。  
治療ステップ2(軽症持続型):症状の目安としては喘息症状が週1回以上あるが毎日でないという状態です。

治療:吸入ステロイドと長時間作用型のβ2刺激薬の配合剤(ex. レルベア®/シムビコート®/フルティフォーム®など)
※吸入ステロイド単剤に抗ロイコトリエン拮抗薬内服または抗コリン吸入薬追加でも可
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治療ステップ3(中等症持続型相当):症状の目安としては治療しなければ症状が毎日出現する状態です。

治療:基本的にはステップ2と同様ステロイドと長時間作用型のβ2刺激薬の配合剤を使用し、コントロールが悪い場合にはこれに抗ロイコトリエン拮抗薬(モンテルカストなど)や長時間作用型抗コリンの吸入薬(スピリーバ®)を追加します。
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最近ではステロイドと長時間作用型のβ2刺激薬と抗コリン薬の3種類が一つの吸入器に配合されているもの(テリルジー®など)もあります。これだけで、ステップ3の治療が完結できます。
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治療ステップ4(重症持続型相当):治療下でもしばしば増悪し、症状が毎日あって日常生活に制限がある状態です。

治療:高用量吸入ステロイドに長時間作用性β2 刺激薬・長時間作用性抗コリン薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬・テオフィリン徐放製剤など複数併用することになります。
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これでも制御できない場合はステロイドの経口投与となります。なお、経口ステロイド薬は長期間内服すると副作用もあるので、短期使用を目指します。概ねプレドニン5mg錠4-6錠程度を3-5日、ただし、これでもコントロールが悪い場合には3日毎に5mgずつ減量しおおよそ2週間前後内服します。しかしながら5mg程度の経口ステロイド薬を継続しないと、コントロールつかない場合もあり、その場合は最近では生物学的製剤(ex.ゾレア®/ヌーカラ®/ファセンラ®など)を使用することもあります。
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以上が治療ですが、治療のコントロールを判断する上で、当院では気管支喘息の通院患者さんに喘息手帳とピークフローメーターをお渡し、ご自宅で記録していただいております。また診察時には毎回ACT(喘息コントロールテスト)と呼ばれる問診票をお渡し、上記で述べた患者さんの治療ステップを判定し、治療方針に役立てております。
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